不動産広告の利回りを信じてはいけない5つの理由
収益不動産の購入を検討するとき、利回りが高いほうがいいと考える方が多いでしょう。
もちろん利回りが高いほうが収益が高いということなんですが、単に数字が大きいものを買えばいい訳ではありません。
特に不動産広告で表示されている利回りは疑った方がいいでしょう。
疑ったほうが良い理由を以下で説明します。
理由①「満室」想定利回りだから
広告に表示されている利回りはほぼ全て「満室」想定利回りです。仮に部屋数の半分が空室だとしても、空室が全て埋まった場合の家賃収入をもとに算出した利回りとなっています。
供給過剰と人口減少のこの時代、簡単に満室にはなりません。
そもそも満室にならなければ満室想定利回りは絵にかいた餅であると言えます。
理由②適切な家賃設定がされているか不明だから
では、空室が埋まりさえすれば満室想定利回りを達成できるのか、というとそういう訳でもありません。
満室想定利回りの計算では、空室の募集家賃を契約家賃とみなして年間家賃収入を算出することが多いです。
果たしてその募集家賃は適正なのでしょうか。
空室の原因の一つに家賃設定が相場より高いということがあります。家賃が割高となると、実際に入居してもらう為には値下げが必要となります。
家賃を値下げしてしまうと当然利回りは下がります。
従って募集家賃を契約家賃としてみなすのは売主側の単なる願望であり、満室想定利回りは正確な指標となりません。
理由③家賃が本当に回収されているか不明だから
入居者がいれば安心かというと必ずしもそうでもありません。その入居者が家賃を滞納している可能性もあります。
家賃滞納は空室よりも深刻です。督促をして回収できる程度の滞納だったらまだいいですが、もう回収の見込みがない(入居者に支払う意思も能力もない)ような場合は本当に厄介です。
なんせ日本の法律は借主に優しくできているため、立ち退きさせるハードルがかなり高いのです。
空室なら少なくとも入居者募集が出来ますが、滞納者が居座っていると入居者募集もできず収入もありません。
立ち退き訴訟となると費用までかかります。
入居者がいたとしてもきちんと家賃を支払っている入居者かどうかが重要となります。
理由④運営費を見込んでいないから
不動産投資や賃貸不動産経営では家賃収入が全て儲けになるという訳ではなく、運営するにあたっての様々費用が発生します。
例えば各種設備の修繕費や点検費、不動産会社に支払う報酬、税金など、結構な金額が掛かります。
満室想定利回りではこのような運営費を想定せずに算出されます。
一見、利回りが高くても運営費が高額だと実際の利回りはもっと低くなってしまいます。
なお、運営費についての詳細は以下の記事をご覧ください。
理由⑤高額な修繕費がかかるかもしれないから
建物が古くなると外壁や屋根のような主要構造部を修繕する必要が出てきます。
外壁や屋根の修繕をしていない物件は、何百万といった高額な修繕費用が発生する可能性があります。
一見、購入価格が安く高利回りのように思えても、高額な修繕費を含めると利回りが低くなってしまいます。
さいごに
不動産投資は単純に利回りだけでは判断できない複雑な投資です。
不動産投資もある程度のリスクはありますが、広告の情報を疑う知識を身につけるだけでリスクの低減につながります。
とりあえず今回は不動産広告では「利回りが高い物件≠儲かる物件」であることを認識いただければと思います。
本日はこのあたりで(^O^)
【参考】利回りの計算方法については以下の記事をご覧ください!
北見・美幌の不動産の満室想定利回りが妥当かどうか知りたい場合はセクトまで!