将来的に立ち退いてもらう予定なら定期借家契約にしましょう
皆さんこんにちは(^O^)
セクトの近江です。
定期借家契約という言葉をご存じでしょうか?
定期借家契約とは期間の定めのある賃貸借契約のことです。
この契約形態は、所有する賃貸物件から将来的に立ち退いてもらいたいと思っている場合におすすめです。
今回はそんな定期借家契約についてご説明します。
定期借家契約の特徴
定期借家契約は期間の定めのある賃貸借契約です。
一般的な賃貸借契約(普通借家契約といいます)では、借主保護のため「正当事由」がなければ立ち退いてもらうことができません。
一方で定期借家契約では定めた期間で契約を終了させることができます。「正当事由」は不要です。
普通借家契約は立ち退きが大変
退去を求めた際に、借主が「いいですよ!退去しますよ!」と言ってくれれば「合意解約」することができます。
しかし、一般的に退去して次の家を探すとなると多大な労力と費用がかかります。引っ越すことで通勤や通学にも支障が出ることも考えられます。そのため大抵は簡単に合意解約に至りません。
合意に至らなければ法律に則って対応する必要が出てきます。法律では原則、貸主の一方的な都合で立ち退きを求めることができません。
借地借家法という法律では、借主保護のために立ち退くにあたって「正当事由」が必要ということになっているのです。
ちなみにこの正当事由には明確な基準がありません。立ち退いてもらいたい事由には建物の老朽化や貸主が自分で不動産を使用したい場合などがあげられますが、それだけでは正当事由としては認められないケースが多いようで、ほとんどの場合は立ち退き料を支払うことを求められるようです。
つまり、普通賃貸借契約は立ち退きには向いていない契約だということです。
定期借家契約の特徴
一方で定期借家契約は正当事由や立ち退き料が無くとも、定めた期限で契約を終了させることができます。将来的に立ち退いてもらうことが想定される場合は定期借家契約にすべきといえるでしょう。
ただし、契約方法が普通借家契約に比べて少し煩雑となり、以下のような要件があります。
- 確定的な期限を定めること
- 公正証書等の書面で契約を締結すること
- 貸主は「更新がなく、期間の満了により終了する」ことを契約書等とは別に、予め書面を交付して説明すること
- 期間満了の1年前から6か月前までの間に、「期間の満了により賃貸借契約が終了する」旨を通知すること
また、長く借りられないということで相場より安い設定にしなければ決まりづらいという特徴もあります。
さいごに
今回お伝えしたかったことは、普通賃貸借契約は立ち退きさせることは難しいが、定期借家契約だと立ち退きトラブルを避けることができるということです。
一時的な賃貸を希望する方は定期借家契約を検討してみてはいかがでしょうか。
本日はこのあたりで(^O^)