入居率よりも稼働率が重要という話
こんにちは(^O^)
セクトの近江です。
当社では管理委託頂いているオーナー様に毎月「セクトだより」という会報誌をお送りしています。
セクトだよりでは賃貸経営に関するお役立ち情報や社員紹介を掲載していますが、他に当社の管理物件の毎月1日時点の入居率を発表しています。
2021年6月1日時点の入居率は93.4%でした。
少し古いデータですが、平成25年の土地統計調査から計算すると北見市の平均入居率は約71%となっており、比べると悪い数字ではないのでしょうが、セクトでは95%達成を目指しています。
95%を達成するためにはあと何戸の部屋を埋めればいいのでしょうか。
95%-93.4%=1.6%入居率を上げる必要がありますが、当社の管理戸数を6400戸として考えると、6400戸×1.6%=102戸の空室を埋めねばなりません。
ただ退去者も一定数でるため、単に102戸埋めれば達成するという訳ではありません。
例えば、毎月退去者が70件程度出ると考えると、1年後に入居率95%を達成するためには毎月80件程度の成約が必要だな、といった分析をしています。
ところで入居率と同じような用途で使われる言葉で「稼働率」という言葉があります。
収益物件のオーナー様にとっては入居率よりも物件の収益力の指標として活用できる稼働率の方が重要だと言えます。
前置きが長くなりましたが今回は入居率と稼働率について説明します。
入居率とは
入居率とはある一時点の入居の割合です。
以下の表をご覧ください。
3月時点では8部屋中5部屋が在室、3部屋が空室となっています。
この物件の3月時点の入居率は
5戸(在室数)÷8戸(戸数)=62.5%
となります。
入居率62.5%は低い数字に見えますが、他の月は全て在室となっているため入居率は100%です。
タイミングによっては退去者が重なり一時的に入居率が下がってしまうということはどんな物件でもあり得ます。
従って一時的な入居率で一喜一憂してもあまり意味はありません。
稼働率とは
稼働率とは一定の期間における入居の割合をいいます。
先ほど用いた表の1年間の稼働率を調べてみましょう。
稼働率計算(月単位)
稼働率=(12×戸数-空室月数)÷(12×戸数)
実際に計算してみると
(12×8戸-3ヶ月)÷(12×8戸)=96.87%(稼働率)
となります。
もう少し細かく分析したい場合は日単位で計算すると良いです。
稼働率計算(日単位)
稼働率=(365×戸数-空室日数)÷(365×戸数)
先ほどの表で3戸が3月の1ヶ月間空室であったとすると
空室日数は31日×3戸=93日
となります。
これを式に当てはめると
(365×8-93日)÷(365×8戸)=96.81%(稼働率)
となります。
家賃ベースの稼働率
多くの場合は上述した「戸数ベース」の稼働率で十分です。
ただ、部屋ごとに家賃が異なるような物件の場合はそうはいきません。
先ほどのように戸数ベースで稼働率を算出すると、家賃が10万円の部屋と5万円の部屋のどちらが空室でも同じ1部屋であり、戸数ベースの稼働率への影響も同じとなってしまいます。
これでは正確な稼働率とはいいがたいので、満室の場合の家賃収入の合計と実際の家賃収入を計算に使用します。
家賃ベースの稼働率
稼働率=実際の家賃収入÷満室の場合の合計家賃収入
1年間満室で500万円の収入を想定、実際の1年間の家賃収入が450万円だった場合は以下のように計算します。
450万円÷500万円=90%(稼働率)
となります。
まとめ
管理会社の広告で「入居率99%!」のような表現を見かけます。
この入居率ははその管理会社の瞬間的な過去最高の入居率を表示しているだけで、稼働率で考えるともっと数字が低いということがありえます。
稼働率こそが本当の実力でありオーナー様にとっては重要な指標だということをご理解いただければと思います。
じゃあセクトの管理物件の稼働率はどのくらい?と聞かれると、実は正確な稼働率を出せていません。
当社で使用している基幹システムだと物件の空室日数を把握するのが難しい(できるけど時間がかかる)ためです。
毎月発表している入居率を平均すると大体の稼働率が出てくるので、当面はこちらでご勘弁いただければと思います。
本日はこのあたりで(^O^)